相続した実家や、親の施設入居で誰も住まなくなった家。「横浜市に家はあるけれど、遠方に住んでいて見に行けない」「売却するか決まっていない」と、管理に悩む方もいるのではないでしょうか。
空き家になったからといって、すぐに手放す必要はありません。ただし、人が住まなくなると小さな不具合に気づきにくく、雨漏りや庭木の伸びすぎを見逃すことがあります。将来の選択肢を残すためにも、まずは現在の状態を把握し、無理なく続けられる管理方法を考えることが大切です。
この記事では、横浜市の空き家管理に必要な作業、費用の考え方、管理会社の選び方、市の相談窓口を紹介します。管理・売却・賃貸で迷っている方の判断に役立つ情報をまとめています。
この記事は宅地建物取引士が監修しています。監修者のプロフィールは記事末尾に掲載しています。
横浜市で空き家の管理が必要な理由

人が住まなくなると劣化に気づきにくい
住んでいる家なら、天井のしみや水漏れに日常生活の中で気づけます。空き家では発見が遅れ、補修の範囲が広がることがあります。横浜市も、長期間の放置による湿気や雨漏り、建物の傷みについて注意を呼びかけています。換気と定期確認を組み合わせることが、不具合の早期発見につながります。[1]
庭木・雑草や防犯面への配慮も必要
枝が隣地へ伸びたり、雑草が道路にはみ出したりすると、近隣とのトラブルにつながる場合があります。郵便受けにチラシがたまり、ごみが放置されている状態も避けたいところです。建物だけでなく、敷地や郵便受け、施錠状態の確認が、周辺への配慮と異常の早期発見につながります。
管理状態によっては行政から対応を求められる
横浜市は、法律や条例に基づいて管理が不足する空き家の所有者等に改善を促しています。「管理不全空家等」「特定空家等」に対する法に基づく勧告を受けると、その土地が固定資産税の住宅用地特例の対象から外れる場合があります。空き家になっただけで直ちに税負担が変わるわけではなく、管理状態や行政の対応段階が関係します。[2]
【宅建士コメント】「管理」と「修繕」では、対応内容や費用が異なります。巡回で不具合を見つけても、補修まで月額料金に含まれるとは限りません。異常発見後の連絡方法と、修繕の見積もり・承認の流れを確認しておくと、遠方からでも対応しやすくなります。
空き家管理では具体的に何をする?

建物の外観確認
外壁のひび割れ、雨どいの破損、窓ガラスや門扉の異常などを、確認できる範囲で点検します。目視による巡回は、屋根の上や壁の内部まで調べる建物診断とは異なります。
庭木・雑草・敷地の確認
草木の生育、隣地や道路への越境、ごみの投棄などを見ます。擁壁や塀のある物件では、ひび割れや傾きなど、見える範囲の変化も確認の対象です。「確認」と草刈り・剪定の実施は別の業務として扱われることがあります。
郵便受けの確認
郵便物のたまり具合を確認し、契約内容に応じて整理します。保管・転送・処分のルールを決めておくと、必要な書類の見落としを防ぎやすくなります。郵便物の確認が含まれていても、転送の送料や手数料は別の場合があります。
室内確認・通風・換気
天井や壁のしみ、カビ、異臭、害虫の形跡などを確認し、天候や建物の状態に応じて窓を開けて換気します。終了時は窓と玄関の施錠も確認します。室内管理を依頼する場合は、鍵の預かり方法と紛失時の対応も、契約前の確認事項です。
通水と写真付きの管理報告
通水では、水漏れなどを確認するとともに、排水トラップの水切れによる臭いを防ぐために水を流します。水道契約や設備の状態によって実施条件は変わります。巡回後は、作業日・確認箇所・写真・異常の有無がわかる報告があると、前回からの変化を把握しやすくなります。
横浜市の空き家管理にかかる費用

月額料金は巡回回数と作業範囲で変わる
空き家管理の料金は、外観確認だけか、室内の換気・通水まで行うかによって変わります。建物の広さ、敷地の状態、訪問回数、交通費、初期費用も含めた比較が、管理会社選びの参考になります。
外観確認と室内管理の料金例
2026年10月5日時点で、郵便局の空き家みまもりは月1回の確認と写真付き報告で月額4,280円(税込)、通風・通水は月額5,000円(税込)の追加オプションです。日本空き家サポートは、月1回の屋外管理が月額5,500円(税込)、屋外・室内管理が月額11,000円(税込)です。これらは公開料金の例であり、横浜市全体の平均相場ではありません。[3][4]
草刈り・剪定・清掃は別料金になることも
草刈り、剪定、残置物の撤去、専門的な清掃、修繕は別途見積もりになる場合があります。月額料金だけでなく、年間の基本料金と必要な追加作業まで含めると、全体の負担を把握しやすくなります。
TagPartnersの「空き家管理し隊」は月額980円から。980円のベーシックプランには外部からの目視点検、庭木・郵便物の確認、写真での報告、無料の空き家活用相談が含まれます。室内点検や換気・通水など、ニーズやご希望に合うプランをご相談ください。[5]
【宅建士コメント】費用比較では、作業範囲と訪問回数を揃えて見積もりを取ると、費用の違いがわかりやすくなります。将来住む予定がある家と、解体を検討している家では必要な管理が異なります。家の状態と今後の予定に合わせて、必要な業務を選ぶことが大切です。
横浜市で空き家管理会社を選ぶ5つのポイント

1.横浜市内の管理実績があるか
区名だけでなく、物件の種類や依頼の背景、実際の管理内容も、依頼先を判断する参考になります。坂道、擁壁、狭い道路などがある物件では、似た条件の対応経験も参考になります。
2.定期的な管理報告があるか
写真の枚数だけでなく、異常箇所の説明や次の対応が記載されているかも、報告内容を比較する際のポイントです。
3.不動産の専門家に相談できるか
宅建士などに相談できる会社なら、管理後の売却や賃貸も含めて検討しやすくなります。ただし、税務・登記・建物の安全性にはそれぞれ専門分野があります。必要に応じて税理士、司法書士、建築士などにつなげられる体制があるかも、選ぶ際のポイントです。
4.料金と契約条件が明確か
訪問回数、作業時間、鍵の管理、追加費用、契約期間、解約条件は、契約前に確認しておきたい項目です。災害後の巡回についても、料金と対応条件を把握しておくと、緊急時の対応を考えやすくなります。「緊急対応あり」と書かれていても、常に即日訪問できるとは限りません。
5.将来の売却・賃貸・活用まで相談できるか
管理を続ける間に家族の意向が変わることもあります。売却価格や賃貸需要、改修費用を相談できれば、次の行動を決めやすくなります。管理契約と売却・賃貸の依頼は、それぞれの条件を確認することで、希望に合う契約を検討しやすくなります。
横浜市の地域事情と相談窓口を知っておこう

現地の条件と緊急時の対応距離が重要
横浜市内でも、住宅が密集する場所、坂道や高低差のある場所、庭のある戸建てが並ぶ場所では、確認したい点が異なります。擁壁のある家なら見える範囲の変化、隣家との距離が近い家なら枝の越境など、物件ごとに必要な管理項目は異なります。
災害後に連絡が取れるか、現地確認までの目安はどの程度かも大切です。近くに拠点があることに加え、担当者不在時の連絡先や、危険で立ち入れない場合の対応がわかると、緊急時の流れを把握しやすくなります。
横浜市の相談窓口と専門家団体
所有者からの一般的な相談は、横浜市住宅供給公社が運営する「空家の総合案内窓口」で受け付けています。電話は045-451-7762、受付は10~16時で、12~13時、土日・祝日・年末年始を除きます。専門的な内容は適切な専門家団体に案内されます。[1]
また、横浜市は「横浜市空家のこれから相談窓口」を設置し、処分や活用、事業者とのマッチングなどを伴走支援しています。管理だけでなく、今後どうするかという悩みも相談できます。[6]
空家等管理代行事業者リストも確認できる
横浜市は「空家等管理代行事業者リスト」を公開しています。2026年9月30日時点の一覧には株式会社TagPartnersも掲載され、業務区域は市内全域です。掲載は、市によるサービスの推奨や品質保証を意味しません。契約内容と料金は、所有者と事業者の間で確認して決めます。[7]
空き家は管理・売却・賃貸のどれを選ぶべき?

将来使う予定があるなら管理、収益化を考えるなら賃貸、今後使う予定がなく維持負担を減らしたいなら売却が候補になります。ただし、賃貸には修繕や入居者対応が必要で、売却にも条件整理や準備が必要です。希望に加えて、建物の状態と費用を合わせて考えることが、選択の目安になります。
| 選択肢 | 検討しやすい状況 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 管理 | 将来使う予定がある・判断を保留したい | 管理費や税金などの保有費用が続く |
| 賃貸 | 家を残しながら収益化したい | 改修費・空室リスク・貸主としての対応を検討 |
| 売却 | 今後使う予定がなく保有負担を減らしたい | 価格・時期・権利関係の整理を検討 |
決められないときは、管理しながら査定や改修見積もりを取り、家族と話し合う方法もあります。「いつまでに方針を決めるか」を設定すると、費用を把握しながら検討を進めやすくなります。
【宅建士コメント】賃貸を検討する場合は、家賃だけでなく、貸し出す前の改修費と維持費も、判断に関わる費用です。将来自分で使う予定があるなら、契約期間や契約形態も重要です。管理・賃貸・売却それぞれの費用を比較すると、ご自身の希望に合う方法を検討しやすくなります。
空き家の管理・売却・賃貸を始める上でかかる費用
空き家の今後を考えるときは、管理の月額料金だけでなく、売却や賃貸の準備にかかる費用も、比較しておきたい項目です。必要な費用は、建物の状態や契約内容によって異なります。
管理する場合にかかる費用
管理会社に依頼する場合は、定期巡回の料金に加え、契約によって初期費用や追加作業の費用がかかります。草刈り・庭木の剪定・不用品の処分・修繕などは、基本料金とは別になることがあります。
また、管理を委託しても、固定資産税や保険料などの保有費用は続きます。換気や通水に必要な電気・水道の料金も含めて年間の負担を把握すると、無理なく保有できるか検討しやすくなります。
売却する場合にかかる費用
不動産会社の仲介で売却する場合は、仲介手数料や、紙の売買契約書にかかる印紙税などが主な費用です。物件によっては、測量、登記手続き、家財の処分などにも費用が必要です。
ただし、売却前のリフォームや解体が必須とは限りません。工事を始める前に、現状のまま売却できるか相談する方法もあります。売却益が生じる場合は税金も関係するため、売却価格から諸費用を差し引いた手取り額が、判断の目安になります。
賃貸する場合にかかる費用
貸し出す前には、設備の点検・修理、清掃、必要に応じたリフォームなどの費用がかかります。不動産会社に募集や管理を依頼する場合は、契約に応じて仲介手数料や管理委託料なども必要です。
貸し出した後も修繕費や保有費用がかかり、空室中は家賃収入がありません。想定家賃に加え、初期費用の回収にかかる期間も、賃貸を検討する際の目安になります。
横浜市内の空き家管理事例

横浜市緑区のマンションの空き家管理
横浜市緑区のマンションについて、2026年4月からマンション向けの管理プランをご依頼いただきました。
所有者様は東京都内にお住まいで、ご親族が所有されていたマンションの室内が傷んだり、水回りのトラブルが発生したりすることを心配され、管理会社を探していたとのことです。不動産会社の社員が直接訪問する当社のサービスに関心を持っていただき、管理をお任せいただきました。
県外にお住まいの所有者様からの空き家管理のご依頼
横浜市旭区の物件について、2026年9月からプライムプランをご依頼いただきました。
所有者様は愛知県にお住まいで、管理のために横浜へ通う時間や交通費が負担となることから、現地の管理を任せられる会社を探していたとのことです。建物の状態確認だけでなく、換気や室内の簡易清掃までまとめて依頼できる点に関心を持っていただき、プライムプランで管理をお預かりしています。
海外滞在中の建物の維持・管理をご依頼
横浜市戸塚区の物件について、2026年8月からスタンダードプランをご依頼いただきました。
所有者様は海外に滞在されることが多く、ご不在の間も建物を適切に維持・管理したいと考え、当社にご依頼いただきました。建物の内外の目視点検や郵便物の確認、玄関前の清掃・換気などを含むスタンダードプランで、海外滞在中のご自宅の管理をお預かりしています。
TagPartnersの空き家管理サービス 空き家管理し隊

TagPartnersの「空き家管理し隊」は月額980円から。980円のベーシックプランには外部からの目視点検、庭木・郵便物の確認、写真での報告、無料の空き家活用相談が含まれます。室内点検や換気・通水など、ニーズやご希望に合うプランをご相談ください。[5]
ご相談時に所在地や空き家になった時期、庭・残置物の状態、将来の使用予定がわかると、具体的なご案内につながります。売却を決めていなくても、必要な管理と今後の活用を一緒に整理できます。
横浜市全18区の空き家管理に対応
北部の港北区・緑区・青葉区・都筑区、中心部・東部の鶴見区・神奈川区・西区・中区、南部・西部の南区・港南区・保土ケ谷区・旭区・磯子区・金沢区・戸塚区・栄区・泉区・瀬谷区が対象です。物件ごとの対応内容はご相談ください。[7]
横浜市の空き家管理についてよくある質問

空き家管理はいくらくらいかかりますか?
屋外のみか、室内管理も含むかで変わります。月額料金に加え、訪問回数、初期費用、草刈りなどの追加料金によっても総額は変わります。TagPartnersは月額980円からの屋外見守りプランを案内しています。[5]
月に何回くらい確認すればいいですか?
月1回の巡回プランもありますが、適切な頻度は建物の状態や季節によって変わります。庭木が伸びやすい時期や、台風・大雨の後は、追加の確認について管理会社に相談する方法もあります。
横浜市外に住んでいても依頼できますか?
遠方の所有者が利用できるサービスがあります。鍵の受け渡し、契約手続き、写真報告の受け取り方法、異常発見時の連絡先を確認すると、現地に頻繁に行けなくても管理を進めやすくなります。
相続したばかり・売却未定でも相談できますか?
管理の相談は可能です。契約時には所有者や依頼権限の確認が必要になります。共有の場合は、関係者との方針の共有も大切です。
草刈りや剪定だけでも依頼できますか?
単発作業を受け付ける事業者もあります。定期管理に含まれるか、別契約になるかは事業者によって異なります。費用は面積、草木の量、高さ、処分量などで変わるため、写真や現地確認による見積もりが役立ちます。
災害後の確認や郵便物の転送もお願いできますか?
対応の有無と料金はプランによって異なります。災害後は安全確保や巡回順により訪問に時間がかかる場合があります。郵便物の転送は、送料・手数料と併せて、送付先や送付頻度も事前に決めておきたい項目です。
マンション管理や将来の売却・賃貸も相談できますか?
TagPartnersはマンション向け管理プランを案内しています。共用部の管理と専有部の室内管理は別のため、分けて考えると必要な作業を整理しやすくなります。将来の売却・賃貸についても、希望や時期を含めて相談できます。[5]
まとめ 横浜市の空き家はまず適切な管理を

空き家の管理は、建物だけでなく庭木、郵便物、防犯面の確認まで含めて考えることが大切です。今すぐ売却や賃貸を決める必要はありません。現在の状態を把握し、管理を続けられる体制があると、今後の活用も落ち着いて検討しやすくなります。
TagPartnersでは、横浜市の空き家管理と今後の活用について無料相談を受け付けています。「何を頼めばよいかわからない」という段階でも、物件の状態と希望をお聞かせください。
この記事を監修した宅建士

氏名:川﨑 多聞
資格:宅地建物取引士
所属:株式会社TagPartners 営業部 部長
不動産業歴12年。横浜・川崎・首都圏でのマイホーム購入のお手伝いや、相続物件の売却・管理などを広く担当しております。専門家としてのアドバイスはもちろん、お客様がご不安に思われる点やご質問をお気軽にしていただけるよう心がけております。
監修範囲:本記事全文を宅地建物取引士の立場で監修しています。法令や自治体の制度は変更される場合があるため、最新情報は各機関の公式案内で確認する必要があります。
[1] 横浜市 空家の総合案内窓口
[2] 横浜市の空家等対策について
[3] 日本郵便 郵便局の空き家みまもり
[4] 日本空き家サポート 空き家管理プラン
[5] TagPartners 空き家管理し隊
[6] 横浜市 空家のこれから相談窓口
[7] 横浜市 空家等管理代行事業者リスト 2026年9月30日時点


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